院長・副院長あいさつ
のもとデンタルクリニック 院長 野本秀行
のもとデンタルクリニックは、春日部と品川で診療を行っている小さなデンタルクリニックです。
歯科医師は私を含めて2名ですが、私は技術面、妻はカウンセリングの面でお互いの強みを活かせていることが当クリニックの一番の強みだと思います。患者さまには分かりにくいのですが、治療の技術はやはり医師のスキルや経験によって大きな差が出ます。
30年以上、歯科業界の仕事に携わってきたこともさることながら、手先の器用さは私の自慢でもあります。
手先の器用さと高い技術力が、 歯科医師としての誇り
歯科大学時代の話になるのですが、夏休みに型を削って歯の模型を作るという課題が出されました。
一生懸命に型を削って課題を提出したところ、先生からは「これ、型を取って作っただろ?」と不正を疑われました。自分の手で削ったと言っても信じてもらえず、あまりに悔しかったので最初の型から完成品まで制作過程を6種類くらい作って改めて提出したんです。再提出しなさいと言われてもいないのに(笑)。
先生からは不正していないことを認めてもらえましたが、私にはズルをして作ったと思われるくらい高い技術力があるんだ、と逆に感じました。
このエピソードは私にとって大きな自信になり、今でも高い技術を目指すために努力を怠らないようにしています。
専門ドクターと提携し、 高いレベルの治療もご提案
私の強みが発揮できるのは、高い技術力が求められる自費診療というフィールドになります。
一般的な医療保険が適応される保険診療では、患者さまの治療費負担は少なくなる代わりに、治療内容や時間、使える素材などは限られます。
患者さまにとってベストと思える治療法があっても、治療費や時間などの問題で保険診療内での治療を選択する場合も少なくありません。
もちろん自費診療だけを進めているわけではなく、保険診療と自費診療におけるそれぞれ利点と欠点を説明したのちに、患者さんに選択していただきます。
ドクターも患者さまも納得した状態で治療をはじめるのが、私たちの方針です。
また、高いレベルでの治療を行うためには、提携ドクターによる治療もご提案しています。
例えば、BPSという素材を使った自費診療の義歯を作る場合は、私と患者さま以外に義歯を作る歯科技工士と3名で治療を進めていきます。当クリニックと提携している歯科技工士は、世界大会でも優勝した実績のある方で、患者さんの口の中の状態や歯並びなどを細かくチェックしながら作っていきます。
時間と金額はかかりますが、患者さまにとって最高の義歯が作れる技術と環境がご用意できるほか、矯正やインプラント専門医とも提携しており、高いレベルの治療を提供できるのは私たちの強みと言えます。
グループホームに足を運び、 口腔ケアも積極的に行う
現在はクリニックでの診療だけでなく、グループホームに出張して高齢者の患者さまの口腔ケアも行っています。
グループホームにいらっしゃる患者さまは手足の不自由な方も多く、自分の手で歯ブラシを使って口の中をきれいにすることが難しい状態です。歯科医師である私が週1回でも口腔内をきれいにすることで、口腔内だけでなく全身の健康状態を少しでも改善できたらなと思っています。
主な治療は口腔内の汚れを取る以外に、入れ歯が合わない場合は簡単な調整や診察を行うほか、大きな治療が必要な場合は、グループホームの車でクリニックに来ていただいて治療も行います。
実際に今は20名くらいの患者様の口腔内を診ているのですが、私ができることは限られているので、スタッフさんに磨き方を教えたり、歯ブラシの種類を変えたり、スタッフさんの指導も一緒に行っています。
定期的に行くことで患者さまやスタッフさんの意識付けも変わりますし、中には「今度いつ来るの?」と楽しみにされている患者さま方もいらっしゃいます。
歯を大切に思う患者さまが、 すべての原動力
歯科医として私にとって一番うれしいことは、歯が長持ちしてしっかり食事がとれているという、当たり前を喜んでいただけることです。治療が終わって痛みがなくなったら治療は終わりではなく、本当に大切なのは治療が終わってからです。健康な歯を保つために、定期検診に継続して来ていただけるかが重要になるのです。
治療中にメンテナンスの重要性もお話しするので、当クリニックの患者さまは定期検診に来ていただく方も多く、開業直後から何十年も通っている方もいらっしゃいます
グループホームを訪問するようになったのも、以前通院されていた患者さまが体調を崩して通えなくなってしまい、どうしても診てほしいと言っていただいたのがきっかけです。
春日部と品川を行き来して診察は夜9時まで。クリニックにいない日はグループホームの訪問もあるので大変ですが、歯を大切にしたいと思う患者さまがたくさんいらっしゃるから続けられるんです。
自分としては、クリニックでの診療とグループホームの訪問をできる限り続けて、多くの患者さまによろこんでいけたらと思っています。
院長プロフィール
のもとデンタルクリニック 院長 野本秀行
【略歴および保有資格】
日本歯科大学卒業
厚生労働省認定卒後臨床研修指導医
日本レーザー歯学会認定医
【所属学会】
日本補綴歯科学会
FAP美白歯科研究会
日本抗加齢学会
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
副院長あいさつ
夫と始めたのもとデンタルクリニックは、多くの患者さまに支えられながらもうすぐ30年目を迎えます。
歯科医師として多くの患者さまに接し、私が一番大切だと感じていることは、「患者さまに寄り添い、患者さまの立場で治療を考える」ということです。
歯科医師として「患者さまにとってベストな治療」とは何なのか、私は日々患者さまと一緒に考えています。
患者さまと一緒に悩んで考える、 本当に「いい治療」
「最低限の治療だけで十分」「見た目のキレイさを優先したい」「なるべく長く持つものがいい」という治療内容に関するものから、転勤や育児、治療期間などの経済的・時間的な理由など、患者さまの環境によって大切にしたいことは異なります。
歯科医師として、患者さまが望んでいることと置かれている環境をくみ取り、第二、第三の選択肢を提示して、医師と患者さまが納得できる治療をすることがベストだと思っています。
患者さまが自分の治療についてひとつの選択肢しか知らないことは、非常に罪なことだと思います。治療のいい面も悪い面もきちんとお伝えして、一緒に悩めることが、他の歯医者さんとは違う点だと私は思っています。
医学的にベストな治療が、現場で本当にベストな治療とは限りません。患者さまに寄り添い、患者さまのことを思うことこそが、患者さまにとっても「ベストな治療」になると思っています。
ベトナムで学んだ 「いきいき生きる」ことの意味
私を歯科医師として今のような考え方に大きく変えたのが、海外医療ボランティアでした。誰かの手助けをしたい気持ちは、歯科医師になる前から抱いていて、ボランティア活動などにも積極的に参加してきました。
しかし、本業の歯科医師としてのスキルも活かしたいと思い、7年前からは海外医療ボランテイア団体に所属し、ベトナム、モンゴルなどで活動も行っております。
初めて訪れたベトナムでは日本とは大きく環境も子供たちの治療方針も違い、戸惑うことも多くありました。例えば、「歯は抜かずに残すもの」という考えが当たり前ですが、海外ではその常識が絶対に正しいとは限りません。
「この人たちは、来年や再来年に歯の治療を受ける機会があるか分からない。今は痛みがなくても、来年その歯が痛くなる可能性が高いなら今抜きます。その歯の痛みが原因で、仕事にいけなかったり、食事が満足にとれなくなれば、彼らの人生に関わる問題だから。」と教わりました。
私はそれまで医学的にベストな治療を提案してきました。しかし、その人の環境や状況に合わせて、その人の将来に渡って何が一番ベストなのか、そこまで考えて治療をしていることに衝撃を受けました。
歯は失わずに治療することは「医学的に」ベストなことですが、何よりも大切なのは「人が人としていきいきと生きていける」こと。 これは国の違いは関係なく、患者さまがいきいきと生きていくサポートをすることがと歯科医師として最も重要だということを実感しました。
この海外医療ボランティアの経験が私の考え方の原点です。
最愛の母が教えてくれた、 口腔ケアの大切さ
また、歯科医師としてもうひとつの転機になったのが、最愛の母の死でした。
母はがんを患って入院していたのですが、私はクリニックでの診察もあり、常にそばにいてあげることはできませんでした。それでも、クリニックの診察が終わったら病院へ向かって、毎日口の中をきれいにすることが、歯科医師の私にできる最善のことでした。
通常、高齢になると食べ物や飲み物を飲み込む力が低下し、水分でムセることが多くなり、口腔内の菌が気管に入り「誤嚥性肺炎」になる可能性が非常に高くなります。肺機能が低下して呼吸が非常に苦しくなる肺炎は、医療技術の発達した現代においても、高齢者にとっては命に関わる病気です。実際に、日本人の死亡原因として、肺炎は三大成人病に次ぐ4位で、肺炎で死亡する人の94%は75歳以上というデータもあります。
母も高齢や抗がん剤の影響で免疫力も低下していましたが、ブラッシング、歯肉マッサージ、咀嚼筋マッサージ、口腔内リンパマッサージの甲斐もあって入院してからは一度も熱を出すことがありませんでした。
口から食事をとれること、心のケアを大切にすること、苦しまないことこの3点を担当ドクター、看護師、歯科医師として、娘として最重要視していました。
母は緩和病棟におりましたが、それにも関わらず、亡くなる10日前には外出許可をもらい、大好きなお寿司を食べに行きました。病院で寝泊まりし、子供の時以来の密度の濃い幸せな時間を親子で過ごすことができました。そして最期は苦しむこともなく安らかな表情で旅立っていきました。
きちんと口腔ケアを行ったことで、母が苦しくないエンディングを迎えることができました。
看護師さんから、「口腔内がとても綺麗でこれほど、死臭、ガン臭もなく穏やかな死をみたことがなく、病院では口腔ケアまで手が回らないのが現状ですが、口腔ケアの重要性を改めて感じました。」と最後にお声がけいただき、口腔ケアをすることで、苦しむことなく最期を迎えられたことに、後悔のない看取りができたと思っています。
この経験をきっかけに、今まで以上に多くの方に、口腔ケアの重要性を教えて差し上げることが、母からの最期の宿題と感じています。
歯科以外の幅広い知識を持ち、 提案することが私の使命
外科や内科のお医者さんにとって、口腔ケアは専門外の分野ですが、口腔ケアを怠ることは、誤嚥性肺炎を引き起こす要因になり得ます。また、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因のひとつに、口腔内の歯周病菌があるとも言われてます。
今までの日本の医療現場では、専門分野に特化することが当たりませになっていましたが、人の身体はパーツだけで治療をすることはできません。
悪くなってから悪くなった原因を治療するではなく、悪くならないようにメンテナンスを行うような「予防」が大切になると思っています。
そのためにも、ドクターだけでなく、看護師やリハビリを行う理学療法士、言語療法士などが一丸となって治療を行う必要があると思います。
私のできる治療は歯科治療に限られていますが、歯科以外の幅広い知識を持ち、患者さまがよりよい暮らしを送れるご提案をすることが、私の使命だと考えています。
食いしばりを和らげるボトックス注射や口腔環境を改善する口腔内マッサージ。アンチエイジングについて学ぶ日本抗加齢医学会など、今でもさまざまな勉強を続けています。
患者さまの「いきいきした生活」をサポートするために、これからも患者さまの声に耳を傾け、患者さまと一緒に成長していきたいと思います。
副院長プロフィール
のもとデンタルクリニック 副院長 野本恵子
【略歴および保有資格】
日本歯科大学卒業
厚生労働省認定卒後臨床研修指導医
日本抗加齢医学会専門医
国際抗老化再生医療学会専門医
Medical Training Certificate /TEOXANE LABORATORIES
【所属学会】
日本補綴歯科学会
抗加齢歯科医学研究会
ドライマウス研究会
FAP美白歯科研究会