歯を失った部分の治療(欠損補綴)

虫歯や歯周病、あるいはケガなどで歯を失ってしまった場合、「奥歯だから見えないし、痛くないから」とそのまま放置していませんか?

歯は、すべて揃って初めて全体のバランスを保っています。たった1本でも歯を失ったまま放置すると、お口全体、さらには全身の健康に深刻な悪影響を及ぼします。

歯を抜けたまま放置する「4つのリスク」

  • 隣の歯が倒れてくる: 空いたスペースに向かって両隣の歯が傾き、歯並びが悪化します。
  • 噛み合う歯が伸びてくる: 噛み合う相手を失った歯(上の歯など)が、下に向かって伸びてきてしまいます。
  • 顔のゆがみ・シワの原因に: 噛みやすい方ばかりで噛むようになり、顎の筋肉のバランスが崩れ、顔がゆがんだりシワができやすくなります。
  • 認知症や胃腸への負担: 噛む力が低下することで脳への刺激が減り、食べ物を細かく砕けないまま飲み込むため胃腸に負担がかかります。

歯を補う「3つ」の治療法

当院では、患者様のお口の状態、ご予算、ライフスタイルに合わせて、主に3つの治療法をご提案しています。

1. インプラント(人工歯根)

顎の骨にチタン製の小さなネジ(人工歯根)を埋め込み、その上に人工の歯を被せる治療法です。天然の歯とほぼ同じ見た目と噛み心地を取り戻すことができます。

メリット:周りの健康な歯を削る必要がない。自分の歯と同じように強く噛める。見た目が非常に自然。
デメリット:外科手術が必要。保険が適用されない(自由診療)ため費用が高額。治療期間が長い。

2. ブリッジ

失った歯の両隣にある健康な歯を削って土台にし、橋(ブリッジ)を架けるように連なった人工の歯を被せる治療法です。

メリット:固定式なので違和感が少なく、自分の歯に近い感覚で噛める。保険適用の素材も選べる。治療期間が短い。
デメリット:土台とするために、両隣の健康な歯を大きく削る必要がある。支える歯に負担がかかり、将来的にその歯を失うリスクが高まる。

3. 入れ歯(部分義歯・総義歯)

失った歯の代わりとなる人工の歯を、残っている歯に金属のバネ(クラスプ)などを引っ掛けて固定する取り外し式の治療法です。

メリット:健康な歯をほとんど削らなくて済む。手術の必要がない。保険適用なら費用を安く抑えられる。
デメリット:取り外して毎日洗う手間がかかる。噛む力が天然歯の20〜30%程度に落ちる。バネが見えて見た目が不自然になることがある(※自費のバネなし入れ歯もあります)。

3つの治療法の比較表

インプラント ブリッジ 入れ歯
健康な歯への負担 ◎ まったく負担をかけない × 両隣の歯を大きく削る △ バネをかける歯に負担
噛む力(咀嚼力) ◎ 天然歯とほぼ同じ ◯ 天然歯の約60% △ 天然歯の約20〜30%
見た目(審美性) ◎ 非常に自然 ◯ 素材による(保険は銀歯の可能性) △ バネが見える(自費なら目立たない)
治療期間 △ 長い(約3〜6ヶ月) ◎ 短い(約2〜3週間) ◯ 普通(約1〜2ヶ月)
費用(目安) 自費診療(約30万〜/1本) 保険適用可(自費素材もあり) 保険適用可(自費素材もあり)

「どの治療法が自分に一番合っているかわからない…」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
お口の中の状況(骨の厚みや残っている歯の状態)を精密に検査し、それぞれの治療法のメリット・デメリットをしっかりご説明した上で、患者様ご自身に選んでいただきます。